NAFLD/NASHの進行を防ぐにはどうしたらいいですか?ウイルス性の肝臓病とはどんな違いがあるのでしょうか?
NAFLD、なかでもNASHの患者さんでは、肝臓病の進行だけでなく心血管疾患にかかる頻度が増えるため、一般の方に比べて病気の経過や死亡率がややわるいといわれています。過剰な飲酒は明らかに肝疾患を進行させますが、少量の飲酒の影響については諸説があり、まだ一定の見解は得られていません。しかし、少量の飲酒でも肝臓の線維化が進むことや発がんに関係している可能性も報告されているため、基本的には飲酒は控えるほうが望ましいでしょう。
治療としては、食事や運動療法による体重減少が肝機能および組織像を改善することから推奨されています。具体的には、7~10%の減量によりNAFLD/NASHの改善が期待できるとされています。その他、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの合併症に対する治療を適切に行うことで肝硬変への進行が抑えられます。
出典:
NAFLDと一般人(予想)の生命予後の比較
(Gastroenterology 2005;129:113-121より引用)
NASHは肝硬変になっても、初期の段階ではC型肝炎からウイルス性の肝硬変になった場合に比べて病状は軽いです。しかし、肝硬変が進むにつれてNASHによる肝硬変もC型肝炎による肝硬変も腹水や肝性昏睡などの症状が起こる割合はほぼ同じとなり、死亡率もほとんど変わらなくなります。
ウイルス性の肝疾患と大きく異なる点は、肝臓における発がん率はウイルス性よりも低いですが、肝疾患の進行だけではなく心血管疾患や肝臓以外の悪性疾患にも気を配る必要があるということです。NAFLD/NASHは肝臓だけでなく全身疾患の一部と捉え、もれのない経過観察をしていくことが重要です。
出典:
日本消化器病学会 編,日本肝臓学会 協力,患者さんとご家族のためのNAFLD/NASHガイド 2023 https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/nafld_2023_02.pdf(2026年4月15日閲覧) Q7
