C型肝炎による肝臓病はどのように進みますか?
C型肝炎ウイルスが感染すると、30%の方ではウイルスは完全に排除されますが、残りの70%ではウイルスが持続感染するキャリアになって、肝臓の炎症が長期間にわたって続きます。これがC型慢性肝炎です。C型肝炎はいったん慢性肝炎になると自然に治癒することはほとんどありません。肝臓の炎症が続くと線維化が進んで肝臓が硬くなり、肝硬変になってしまいます。肝臓の病気の進行には“年齢”が大きく関係し、男性では60歳以降、女性では70歳以降に肝硬変に至る場合が多いようです。飲酒、肥満、糖尿病などで肝臓に脂肪が溜まる状態になると、肝臓病の進行が早いことが知られています。
肝硬変に進行すると年率6~8%の頻度で肝がんが発生します。しかし、最近は高齢の患者さんでは、肝硬変になるまえに、肝がんができることが多いことがわかってきました。また、インターフェロンなどの抗ウイルス療法でC型肝炎ウイルスを排除すると、肝がんが発生する頻度は低下しますが、とくに、高齢な患者さん、肝硬変まで進行している患者さんでは、ウイルス排除後も肝がんができる可能性が低くありませんので、定期的な検査を受ける必要があります。
出典:
日本肝臓学会発行冊子「肝臓病の理解のために」2015,日本肝臓学会
https://www.jsh.or.jp/citizens/booklet/(2018年12月3日閲覧)
3 C型肝炎 P1
出典:
日本肝臓学会発行冊子「肝臓病の理解のために」2015,日本肝臓学会
https://www.jsh.or.jp/citizens/booklet/(2018年12月3日閲覧)
3 C型肝炎 P2から作図