B型肝炎ウイルスはどのように感染しますか?
B型肝炎ウイルスの感染には、感染が持続しているキャリアと、血中からウイルスが排除される一過性感染があります。わが国には約100万人のキャリアがいます。その感染経路は大部分がキャリアの母親から出生時に感染する「母子感染(垂直感染)」ですが、乳幼児期に家族内などで水平感染する場合(父子感染など)もあります(表2)。ただし、現在では母子感染の予防対策が取られているので、新たに母親から感染することは、ほとんどなくなりました。
一方、成人の感染経路は、大部分がキャリアのパートナーとの性交渉などの接触(水平感染)です。成人で感染した場合はキャリアにならず、急性肝炎を発症しても一過性感染で、血中からウイルスが排除される場合がほとんどです、しかし、最近では外国から持ち込まれたタイプの異なるB型肝炎ウイルス(欧米型A)の感染例が増加しており、その場合は成人で感染しても約10%はキャリアになることが問題になっています。
垂直感染 | ・出生時の母子感染 |
水平感染 | ・父子感染など家族内感染 ・キャリアとの性交渉 ・剃刀や歯ブラシの共用 ・刺青、ピアスの穴あけ ・覚せい剤、麻薬の注射 ・出血を伴う民間療法 ・キャリアからの輸血、臓器移植 |
出典:
日本肝臓学会発行冊子「肝臓病の理解のために」2015,日本肝臓学会
https://www.jsh.or.jp/citizens/booklet/(2018年12月3日閲覧)
2 B型肝炎 P2