再発や転移したときはどうしたらいいですか?
「再発」とは、治療した後に別の場所に同じがんが出現することをいいます。
「転移」とは、がん細胞が最初に発生した場所から、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官へ移動し、そこでふえることをいいます。最初にできたがんの部位は「原発巣」と呼ばれます。
治療後の定期検査の必要性
がんの再発や転移を早期に発見するため、定期的に診察を受け、腫瘍マーカーや画像検査による経過観察を受けてください。
再発・転移した時の対処について
がんが肝臓の中にとどまっている場合には、手術でその部分を切除するなどの方法をとることが可能な場合もあります。がんの大きさや個数、がんの進み具合、肝機能の状態などについても注意し、治療法を選択します。他の臓器への転移の場合には、転移が見つかった臓器以外にも転移が起こっている可能性があるので、全身に治療効果を及ぼす抗がん剤治療が行われることがあります。
心のケア
がんの再発や転移は、治癒を目指してきた患者さんにとって大きなショックとなります。気持ちが沈んだり、つらいなどの心の不調が出てくるので、適切な心のケアをすることは、生活を守り、自分らしさを保つことにつながります。つらい症状があるときにはどんなことでも遠慮しないで医療者に話しましょう。
心のケアは、メンタルヘルス科や精神科、緩和ケアチームなどの医師のほか、心理士、看護師、ソーシャルワーカーなどにも相談できます。不安や落ち込みはもちろん、睡眠の問題や対人関係のストレスなど、ストレス全般に関して相談することができます。
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出典:
肝がんと向き合う-治療から日常生活までの手引き- P13,14
監修:
虎の門病院 肝臓内科 医長 小林正宏
虎の門病院 肝臓内科 川村祐介