血液検査
甲状腺がんの診断は、病理診断や画像診断を組み合わせて行われますが、その前に甲状腺の状態を詳しく知るために血液中の甲状腺ホルモンや腫瘍マーカーを調べます(表)。
また、これらの値は甲状腺をすべて摘出した後の経過観察において、再発の有無を調べるために有用な場合があります。
表:甲状腺疾患における血液検査項目
超音波(エコー)検査
図:超音波(エコー)検査
超音波を首の表面に当てて、臓器から返ってくる音波の変化を画像にする検査です。
甲状腺の内部にあるしこりの性質を観察し、周囲の臓器との位置関係やリンパ節への転移の有無などを調べます。
穿刺吸引細胞診
(FNA:fine needle aspiration、別名ABC:aspiration biopsy cytology)
図:穿刺吸引細胞診
エコーで位置を確認しながら、細い注射針でしこりを刺して直接細胞を吸い出し、顕微鏡で観察します。
首に針を刺すというと、「こわい」と感じるかもしれませんが、痛みはほとんどなく、1~2分程度で済みます。
しこりが良性であるか悪性(がん)であるかを判定する標準的な方法です。
病理組織生検
首に大きなしこりができて、未分化がんなどまれな甲状腺がんが疑われるけれどもFNA(ABC)では診断が難しい場合、麻酔をかけてその一部を切り取って顕微鏡で診断します。