サルコペニアが肝疾患で多い理由は?

サルコペニアが肝疾患で多い理由は?

肝臓の機能を補うために筋肉でたんぱく質が消費され、筋肉量が減少することでサルコペニアが起こると考えられます

通常、肝臓では食事から得られたエネルギーを蓄えます。しかし、肝硬変などで肝臓の機能が低下している方は、肝臓でのエネルギーの貯蔵量が低下します。エネルギーの不足を補うために、体内では筋肉から分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれるたんぱく質などがエネルギー源として供給されます。

また、肝臓の機能が低下すると、アンモニアなどの有害物質を処理するはたらきが低下します。これを補い筋肉で有害物質を処理する際にBCAAが多く使用されます。このようにBCAAの消費により、筋肉の材料となるたんぱく質を合成できず筋肉量が減少することで、サルコペニアが起こると考えられています。

Dasarathy S et al.: J Cachexia Sarcopenia Muscle 3(4); 225-237, 2012

肝臓と筋肉の関係性肝臓と筋肉の関係性

出典:
肝臓に優しい身体づくり~サルコペニアの予防方法~ P7
監修:鳥村 拓司 先生・川口 巧 先生
久留米大学病院 肝臓リハビリテーションチーム

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