なぜ食事が重要なのですか?
筋肉をつくるうえで重要な役割を果たす必須アミノ酸は体内でつくることができないため、食事から摂取する必要があります
筋肉の材料となるたんぱく質をつくるためには、アミノ酸と呼ばれる物質が必要となります。特に分岐鎖アミノ酸(BCAA)は、筋肉のエネルギー代謝や合成に重要な役割を果たすことが知られています。しかし、BCAAは体内でつくることができない必須アミノ酸の一種であり、食事から摂取する必要があります。
BCAAの中でも、特にロイシンはたんぱく質の合成を促すことで筋肉量を増加させ、筋肉の委縮を改善することが期待できます。そのため、筋肉を維持し、サルコペニアを予防するうえで食事が重要となります。
サルコペニアの予防には、禁酒・節酒も重要です
アルコールの多くは肝臓で分解され、毒素の強い物質が発生します。 肝臓では、これらの物質も解毒・代謝するため、飲酒により肝臓の負担が増えることになります。また、過度の飲酒は筋肉がつくられるのを妨げるミオスタチンと呼ばれる物質を増加させることが知られています。
肝臓をいたわり、サルコペニアを予防するためには、飲酒を控えることが重要です。なお、アルコールが原因の肝疾患の方は禁酒が原則です。
栄養療法の基本の3ステップ
栄養療法を行う際に、まずは必要なエネルギー・たんぱく質量を決定します。そのうえで、栄養状態が悪い場合には、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と就寝前補食(LES)の必要性を検討します。
出典:
肝臓に優しい身体づくり~サルコペニアの予防方法~ P14,15,16,17
監修:鳥村 拓司 先生・川口 巧 先生
久留米大学病院 肝臓リハビリテーションチーム