ご家族からのメッセージ①

50代の父親がB型肝炎→肝がん男性

家族も頼って

父はB型肝炎から肝がんを発症しました。
心配させたくないという思いから、家族には何の相談もせず1人で検査・診断を受けていました。
家族としてはそのことにショックを受け、もっと早く知らせてくれれば一緒に病院や治療の情報を探したり、病院に付き添ったりできたのに、という思いでいっぱいになりました。
その後、家族の方からセカンドオピニオンを勧めました。治療の選択肢が広がったことで「病気になって悔しい」と言っていた父も自身の状況と向き合うことができたようです。
手術と抗がん剤治療を行った後も、治験が受けられる病院を調べたりするなど、前向きに過ごすようになりました。

相談することで時間的な余裕が

相談支援センターはとても頼りになる相談先でした。
特にソーシャルワーカーさんは、入院の手続きや医療費の助成制度、父の職場への連絡事項など、父が治療に専念できるようサポートしてくださいました。
市役所の担当者も親切で、自治体独自の制度(がん患者への助成など)について教えてくださいました。
制度についての知識が浅く、私や母も仕事や病院の付き添いなどで調べる時間が取りにくかったことから、申請方法について教えて頂けたことは時間的な余裕もうまれて本当に助かりました。
相談することで、本人も家族も治療に専念できるような環境を整えられると実感しました。

「聞いてもいいのかな?」と思ったことほど聞いてみる

食事の量やカロリー、日常生活の些細なことまで「家族ノート」にメモし、情報共有していたことは診察室でのコミュニケーションにも役立ちました。
病院に付き添った時は、父が口にしづらいようなこと(トイレの回数など)は家族から主治医に伝えるようにしていました。
夜のトイレの回数が増え、その介助で家族も負担に感じていたことを主治医に相談したところ、夜にしっかり睡眠がとれるよう、お昼にトイレの回数を増やしたり、寝る前の水分を控えたりするなどの対処法を教えて頂きました。
「聞いてもいいのかな?」と思うような些細なことほど相談してみることは大事だと感じました。
本人だけではなく、家族のQOL(生活の質)も上がりました。

生活リズムを保つ

父が治療に専念できるよう家族もさまざまな面でサポートしましたが、100%の力を注いでいては長続きしません。
自分たちの時間も大事にしようと、生活のリズムを保つことを心がけました。父と一緒に公園巡りをするなど、外に出る機会を作ることも気分転換につながりました。
父にとっては人に会うことも元気の源になっていたようです。
普段は食が細いのに、職場仲間との食事の席では家族が驚くほどの食欲を見せていました。

チームでサポート

治療は長く続くため、闘病生活を支える家族も体力的・精神的なサポートが必要となってきます。
「チーム家族」から輪を広げ、さまざまな専門職の力を頼りにしながら、介助などの負担を軽減できるよう工夫しました。
入院と自宅療養を上手に使い分けることも大切だと感じました。
経験者の力も心強く、父は病院内の患者会に参加し、情報交換をしたり気持ちを分かち合ったりしていました。
当事者同士の交流の場は心の支えになっていたようです。
家族同士の交流も、本人には言えない悩みを相談したり、実践的なアドバイスをもらったりするなど貴重でした。

インタビュー実施の日時:2018年12月5日
場所:ちよだプラットフォームスクウェア内
ご家族の許可を得て掲載しております。

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