


骨粗鬆症の原因には、年齢や性別、遺伝的な体質など、変えることのできない要素があります。
一方で、食生活や運動などの生活習慣を変えることで改善できる要素もあります。

骨が成長し、骨の代謝がバランスよく保たれている若い世代。
閉経以降、骨量が急激に減少する50歳前後の世代。既に骨粗鬆症の範囲まで骨量が下がってしまった世代。
それぞれの世代にあった観点で、家族みんなで骨粗鬆症の予防に取り組みましょう。


骨粗鬆症の予防に特に重要なのはカルシウムの摂取ですが、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨が作られるのを助けるビタミンK、 さらに、タンパク質、ミネラルなどさまざまな栄養素を摂取することも大切です。

カルシウムの摂取には乳製品や小魚などを食卓にうまく取り入れるように工夫をしたり、市販のサプリメントなどを利用すると良いでしょう。
ビタミンK2※が豊富に含まれている納豆も、骨粗鬆症の予防に取り入れたい食品です。
また、ダイエットなどでやせすぎたり、体重が軽い人は骨が弱い傾向にあります。骨粗鬆症の予防には、標準的な体重を保つことも重要です。
※ビタミンKには、緑色の野菜などに含まれるビタミンK1と、納豆などに含まれるビタミンK2があります。
※血を固まりにくくする薬を服用中の方は、ビタミンKを摂りすぎると薬が効きにくくなりますので、かかりつけの医師に相談してください。


喫煙は、胃腸のはたらきを抑え、カルシウムの吸収を妨げます。特に女性の喫煙は女性ホルモンの分泌を減少させるので、やめるのが望ましいでしょう。
お酒には利尿作用があるため、飲みすぎると必要なカルシウムまで排泄されてしまいます。そのうえ、腸からのカルシウムの吸収も妨げてしまいます。


日光の下でウォーキングなどの運動を毎日続けましょう。骨に適度な圧力が加わり、骨が強くなります。 また、運動を続けると血液の流れが良くなるので、骨を作る細胞のはたらきが活発になります。 筋肉もきたえられ、身のこなしが良くなると、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。 ただし、自分に合った運動を心がけ、無理をしないようにしましょう。

適度に日光に当たるようにすると、骨の吸収を良くするビタミンDが活性化され、強い骨を作るのに役立ちます。



ちょっとした転倒が、骨折につながることがあります。意外と多いのは、慣れていると思っている家の中での転倒です。 年齢とともに歩くときに足が上がらなくなり、ちょっとした段差や、じゅうたんのへりにつまづいて転んでしまうことがあります。
まずは家の中を整理整頓しましょう。その他、服用中の薬が原因でふらついてしまうことや、歩きにくい服装も転倒の原因として考えられます。







